仮面ライダー斬月 ここからは俺たちのステージだ

 

舞台『仮面ライダー斬月』

全29公演お疲れ様でした。

 

 

舞台「仮面ライダー斬月‐鎧武外伝‐」特集 | 東映ビデオ株式会社

 

 

ネタバレありです。

 

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「やっと目が覚めた?死んだかと思ったよ。」

 

 

 

これは萩谷くんがいちばん最初に発する台詞。

第2章が始まる音がした。

 

一応書くと、アイム役の萩谷慧悟くんは2018年11月30日までジャニーズ事務所に所属していた。最後のライブは2018年3月25日(単独は)。斬月初日は2019年3月9日だったので、姿を見たのは約1年ぶりだった。

 

そりゃ一言目で泣くよな〜〜。今後一生見れないかもしれないと思っていた人が、舞台に立ってキラキラしてるんだもん。泣かせてくれ。

 

私は仮面ライダーについての知識はほとんどなかった。Wとビルドを少し見ていたが、鎧武は全く見ていなかったので初日が終わった後、dTVで全話見直した。まんまとハマった。ミッチ...(泣)

(ついでにdTVで『婚外恋愛に似たもの』も見てください...超超面白いしグラシャ役の増子くんが出てるよ)

 

 

ライダー姿のことを「ガワ」と呼ぶことを初めて知った。仮面をつけたままだと表情は分からなくて、もちろんそのカッコよさもあるんだけど、今回は舞台という挑戦だから仮面の下の表情を大事にしたと思われる演技、演出が多々あった。だから最後のアイムとグラシャの戦いはギリギリまで生身の人間で戦っている。

千穐楽のアイムとグラシャの掛け合いで萩谷くんが泣いているように見えた。いや多分泣いていた。涙を流しているかは分からなかったが、心からアイムの苦しさや葛藤が溢れ出てしまって感情が追いつかなくて必死に前を向いているようだった。目も耳も鼻も真っ赤で。そんな顔をしながら変身をするんだけど叫びみたいな変身だった。もしかしたら今までの仮面ライダーも誰かを守るため誰かを犠牲にした苦しみに泣きながら変身していたのかもしれない。顔が見えないだけで。そんなことを考えられるのも舞台ならではの楽しみ方だと思う。グラシャも今までで一番の演技だった。2人とも声を枯らしながら限界のなか戦っていた。

 

 

アイムがセンターになって踊るところは何回見ても泣いてしまう。その少し前のシーンはフォラスもリーダーもいなくなって、敵同士だったチームが一斉にアイムの方を見るんだよね。あのときアイムは客席に一切顔を見せないけれど、どんな顔を仲間に見せていたのだろう。覚悟を決めた場面で、どんな目をしていたのだろう。

 

 

宇野くんのブログに

夢を持て。
それに伴う犠牲も生まれる。
でも、夢を持ち続けて生きろ。

『仮面ライダー斬月-鎧武外伝- 閉幕』宇野 結也 公式ブログ|オスカープロモーション be amie

 

と書いてあった。

 

TV版鎧武の23話でDJサガラが紘汰に「お前が憎んでいるのはヘルヘイムでもユグドラシルでもない。希望の対価に犠牲を要求するこの世界のルールそのものだ。そんなルールぶっ壊せ。ぶっ壊して世界を変えろ」と言うんだよね。

 

舞台仮面ライダー斬月が伝えたかったのは

まさにこれだなと思った。宇野くんも。

 

誰かを守るためにはきっと誰かが犠牲になる。

夢を叶えた人の反対側には夢破れた人がいる。

 

それでも夢を見ろ。

そうすればいつか犠牲がなくとも希望に満ち溢れた世界がくる、と。

完全に妄想だけどアイムは漢字にすると愛夢かな、とかね。

 

 

 

 

私は萩谷くんがジャニーズ以外の俳優さんと共演しているところをリアルタイムで応援するのは初めてのことだった。

斬月を通して気づいたことがある。共演するってことは仲間が増えるってことだ。

 

奎仁くんや累生くんがバゲットに出ているとついつい見ちゃう。SNSでけいごと呼んでくれるだけで嬉しくなる。千田くんがブログで「また会えてよかった」と言ってくれたように、共演者の方やそのファンの方がどこかで萩谷くんを見かけたときにがんばれ!と思ってくれたら嬉しいな。

 

パイモン役の後藤大くんが萩谷くんのことを

今まで努力して培ってきたものと新しく吸収したものを全力でステージ上で出す姿は本当に頼もしかったです!

仮面ライダー斬月。 | 後藤大オフィシャルブログ「後藤の大冒険」Powered by Ameba

 

と書いてくれた。今までの経験は財産になる。過去も今も認めて評価してくれる人が近くにいる。

 

テニミュ組は次の日から稽古があったみたいだし、久保田さんは元号を発表していた(笑)。奎仁くんと累生くんはハイチルに戻る。ちょっと寂しくもあり、また同じステージに立てることを夢見つつ、頑張ろうと思えるこの環境はいいなと思った。そしてたぶん、萩谷くんにも帰る場所があった。よく頑張ったねと迎え入れてくれる最高な場所が。

 

 

 

グシオン役の高橋奎仁さん、オセ役の田淵累生さんはオーディションを勝ち抜いて今同じグループにいる(Huluでキミモテロッジ見られるよ)。累生くんは就活をしていたけど内定を辞退してこの世界に飛び込んだらしい。大学4年生になった私はこの決断がどれほど勇気のいることか痛いほどわかる。人生をかけて生き抜こうとしているのは誰もが一緒だ。萩ちゃんだけじゃない。



アンダーグラウンドシティでは何のために戦うか、目的が違うことで争いが生じている。バロッグレッドは強さの証明のために戦っている。オレンジライドは仲間を守るために戦っている。でもそれは子どものやることではない。大人が守るべきものなのだ。貴虎にそう言われて少しだけ大人を信用するようになったアイム。でも最終的にはグラシャと戦う運命を選ぶ。

 

 

「生き残るために俺は戦う」と言った。

たぶんここに立っているみんながそういう気持ちだ。遠い未来なんて見えなくて目の前のことに絶望することもあるけど、とりあえず明日を生き抜くために戦わなければならない。それは仮面ライダーだけじゃなく、私も一緒だね。

 

 

明日からもちょっと頑張ろうかなと思えた。

 

 

 

 

 

 



私はジャニーズを辞めて良かったねとは言えない。そこにいる萩谷くんがだいすきだったし周りのみんなも同じくらいだいすきだった。今でも。でもそこにいたら多分掴めなかったお仕事だ。その矛盾に葛藤するときもある。だから今回のお仕事を素直に喜べて良かったな〜。

 

恐る恐るSNSで「アイム役」「萩谷」と検索した。色々なジャンルのファンの方が褒めてくれていて、自分が褒められるより100倍嬉しかった!!いつかテレビで仮面ライダーをやってほしいという声にはちょっぴり泣いた。

 


知ってるけど知らない萩谷くんだった。久しぶりに聞いた萩谷くんの声は相変わらず綺麗で透明で濁りのない声だった。聞き慣れた声のはずなのに知っているようで知らなかった。初めて聞いた人からは紘汰に似ていると絶賛だった。

 

それと名前の呼ばれ方。ジャニーズのときはだいたい萩ちゃんか萩谷くんだったのに、はぎくん、はぎさん、けいご、はぎまる。

それさえも新鮮で知らない萩ちゃんを見ている気持ちになった。

 

 

萩谷くんがこの舞台から学んだことはたくさんあったと思うから今度ゆっくり聞ける場所があったらいいな。DMM.の特典映像で「仲間を信じることだったりとか、大切さっていうものをすごい学んだかな、改めて」と話していた。それがいちばんに出てくるところ好きだな。仲間を信じることの大切さ。

 

 

 

 

 

この舞台は台詞が良かった。

 

 

 

「信じろ。人間はそこまで愚かではない。弱い。だが、弱いからこそ強くなれる。誰かを信じることができる。」「お前は1人だ。だが、俺は1人ではなかった。俺はこいつらのことを信じてる。」「誰かを信じて共に歩む。それが、それが、私のノブレスオブリージュ。それが私の変身だ。」

 

「俺たちの運命は誰のものでもない。俺たちのものだ。いまから貴族に反旗を翻す。俺たちの手で俺たちの未来を掴むんだ。」「俺たちは生き残るために戦っていた。それは変わらない。今までも!これからも!」「俺は生きる。俺たちは生きるために戦う。」

 

そして、

「ここからは俺たちのステージだ!」

 

 

この台詞がいちばん響いた。鎧武のなかにも出てくる台詞で知っていたのに、舞台で聞いたらブワっと涙が溢れた。この場面での主人公は間違いなくアイムだった。1年前、横アリで聞いた言葉に重ねてまた泣いた。

 

 

 

 

 

 

ヒーローとか変身とか世界征服とか。

 

どこか遠い話であって自分には関係ないものだと思ってた。私は普通の人間だから誰かを救うこともできないし、ヒーローになんてなれない。仮面ライダーなんてつくりものだと。

 

でもこの舞台を観て、世界は無理かもしれないけど、手を伸ばせば届く距離にいる人なら私にだって救えるかもしれないと思えた。誰かのためのヒーローになれるなら精一杯頑張るのもアリかもしれない。久保田さんがカテコの挨拶で「皆さんもそれぞれの日常でヒーローとなってください」と言ってた。空を飛べないヒーローも、テレパシー使えないヒーローも、私は好きだ。

 

 

 

 

 

 

もっともっと書きたいことあるけどこの辺で。

 

 

 

斬月関連で私がいちばん嬉しかった

萩ちゃんの言葉は「楽しい」だよ。

 

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舞台『仮面ライダー斬月』 -鎧武外伝- 萩谷慧悟 インタビュー | ローチケ演劇宣言!

 

 

改めて萩谷くん、素敵な世界に連れてきてくれてありがとう。座組の皆さんも大好きになった。いつかまた同じステージに立てますように。

 

#萩谷慧悟